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2010.8.10

“うるさい暑さ”

『「里」という思想』

 わずか30年前には、未来は明るく豊かさに満ちているだろうと思っていた。経済は常に安定成長して、社会は高福祉化が成功して、冷戦が終了した世界は平和で平等であり、我々の生活は、ロボットやコンピューターの登場で、有り余る余暇を享受して、精神的に豊かなものになっているはずだと。ところが、それらはすべて過去の幻となってしまった。
 「内山 節」という哲学者がいる。どうも、学会の中には居ない異端の哲学者のようだ。彼は、本来の東京での生活の他に、群馬県の上野村で山里の生活をしている。渓流好きで入り浸った上野村で、山里の自然とその中での生活にもはまってしまって、その中で思索を深めている。
 その内山節の著作『「里」という思想』が新潮選書から出ている。その中で、世界はグローバリズムの名の下に、経済発展を遂げ、人は豊な物質的な生活を得て、幸せの中にあるはずだったのに、今の我々は、逆に精神的な豊かさを失い、未来への不安を感じつつ、それでも現実のとりあえず安定しているように見える生活を否定することも出来ない状態にあると言う。
 そんなわれわれに「ローカル性」を取り戻そうと提案する。このローカル性とは、世界の様々な民族性であり、都会の生活より自然の中の田舎生活であり、それぞれの固有の時間であり、歴史である。 
古いもの、発展の妨げになるものとしての「ローカル性」は、身近な自然であり文化のなかにある。価値観を限定する知性の世界ではなく。自分の手が納得する世界、自分の目が納得する世界、そして自分の生命が納得する世界を一人一人が取り戻そうと言うことが世界を変える可能性だといっている。


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