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2014.7.15

“影ム者”

「ブラジルW杯」

 決勝を前にしたところだが、今回のワールドカップに思うこと。
サッカーファンを常から標榜する身として、今回は可能な限りのゲームをライブで観て、ここまでの期間をサッカー漬けで過ごしてきた。ゲームの観かたも、戦術やチームの特徴を理解するようになり、以前のワールドカップの時よりは数段専門的になっていて、その集中力は半端ではない。トイレや飲み物はハーフタイムにあわただしく済ませてそれ以外はテレビの画面から眼が離せない。
 日本がグループリーグ突破出来ず、そのゲームも大いに期待はずれに終わった。その期待の根拠も、その他のゲームを観れば実に甘いものではあったと分かるわけなのだが。 日本敗退の後は純粋にゲームを楽しめるようになった。
 今回のワールドカップは、前回優勝国にしてその後のサッカースタイルの潮流となったスペインの華麗なポゼッションサッカーから一歩進んだスタイルになっている。それはグループリーグのオランダ対スペイン戦でのスペインの大敗で象徴的にスタートした。サッカーは点を競うスポーツであり、スピードやテクニックでゴール前の守備を崩してゴールする攻撃的なスタイルが良しとされ、観る側もそれを楽しんだ。ところが、その攻撃にバランスを掛けすぎると、守備が手薄になり一気に相手のカウンター攻撃に晒される。そこで今回ベスト8に勝ち上がった、オランダやドイツ、ブラジル、アルゼンチンなどはボールを保持する高度なテクニックを持ちながら、ポゼッションしながらも守備を意識し、相手の攻撃時には、早めに守備をして、そこからゴールに結びつける。つまりは、メッシやクリスチャーノ・ロナウドなどの天才のゴールハンターを別格として、守備が出来るゴールハンター、無尽蔵な走力を持つミッドフィルダー、足が速くパスの上手いセンターバック、そして最後尾のセンターバックとして、ゲームに参加できるキーパーで作り上げられたチームの作る、スピードとスリルのある新しいサッカースタイルが指向されてきたのではないだろうか。
 ところで、その指向の形として、今回の準決勝。オランダ対アルゼンチンは、守備の集中力が両者譲らずガチンガチンのゲームになってしまったし、ドイツ対ブラジルは、ブラジルの守備が完全崩壊して悲しい大敗となってしまった。ここでは、サッカーの技術や戦術の問題だけではなく、メンタルの問題も出てきてしまい、サッカーの更なる難しさをまざまざと見せられた。
 このコラムのアップをぐずぐずしていたら、ドイツ対アルゼンチンの決勝を見終わることになってしまった。結果は周知のこととして、素晴らしいゲームだった。勝ったドイツはやはりサッカーの新しいスタイルをどこよりも優れて身に着けつつあり、メンタルも強かった。アルゼンチンも攻撃、守備ともに良かったが、メッシが決定力を発揮できない時には、彼が守備をしない分だけ相手に劣っていくことになったのだろう。
 これで次のワールドカップまでの4年間。この新しいサッカースタイルの潮流が追求されていくことになるのだが、日本には重い宿題が課せられることになった。


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