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2014.9.30

“リスボンにて”

「映画『リスボンに誘われて』」

 久しぶりに劇場で映画を観た。頑張って劇場まで出向いたのはタイトルのせい。リスボンに旅行をしたことがあるので。街の印象が良かったことから、半ば観光映画を観るつもり。
それなら大画面のスクリーンでというつもりだったのだが。
 映画のストーリーは、スイスのベルンで文学を教えている初老で独身の教授が、橋から身を投げようとする若い女性を助けるところから始まる。名も告げず去って行った女性の残していった赤いコートのポケットから一冊の本が出てくる。読み始めた本に引き込まれていった教授は、その作者がリスボンであることを知り、そのままリスボン行の夜行列車に飛び乗る。車中その本を読み切った教授は、その本の作者でもあり主人公でもある医師と登場人物の足跡を追うことになる。その本の主人公たちは、ポルトガルの独裁政権に対するレジスタンスとして革命に青春をかける。そして男同士の強い友情と、それを引き裂く美貌の女性闘士との三角関係。作者である医師はすでに死んでいたが、その他の登場人物はまだ生きていて、それぞれへのインタビューから、本の中の世界が生き生きと現れてくる。平和で平穏な生活の中にいた教授は、自分の人生の中の眠っていた活力を蘇らせるのだった。
 人生、青春、そして激動の時代となかなかに周到に描かれた良い内容だったと思う。それにしても、観光半分は完全に裏切られた、重厚な映画だった。
 ところで、観に行った日はウイークデイでさらに朝一、席のことなどたかをくくっていったら、とんでもない。満席でロビーは人であふれかえっている。見ればそのほとんどが¥1100で観ることができる御同輩カップル。この活力もすごいもんだが、観終わった後の映画の感想からすると、この盛況には理解できないところがある。彼らみんながリスボン旅行経験者ではないだろうが、私と同じように観光気分半分だった人は多いのではないかと思うので、これはしっかりと配給会社のタイトル作成にやられてしまったというところか。原題は『NIGHT TRAIN TO LISBON』という。


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