[本日の写真]

2014.10.14

“印象派 ん‘ ”

「水漏れ顛末記」

 9月の終わりのある日、夜の十時頃、家の電気がいっせいに消えた。最近珍しいが停電かなと窓から近所を見回すと、どこも消えているところが無い。これは、ブレーカーをチェックとケースを開けてみると、漏電ブレーカーまで下りている。気軽に入れなおしてみるが、すぐ下りてしまう。懐中電灯の明かりで観察すると、なんと水でぬれて光っているところがある。漏水とは、事は重大だ。東電に来てもらいチェックすると、配電ブレーカーのわずか一箇所がブレークだった。未だ危険性はあるが、何とかその回路だけ使わないでほぼ生活に必要な部分は確保できた。明かりが点いて良く確認してみると、ブレーカーのある一階の洗濯室の天井にかなりの漏水をしているようだ。二階に上がってみると、漏水箇所の真上、二階洗濯室の流しの根元で排水管から水が逆流して水浸しになっているではないか。この水が下に落ちているのだろう。この部分の排水管は、キッチンの排水、洗濯機の排水が合流する部分で、増改築を繰り返した危険地帯だったのだ。
 電気は確保したが、排水を使わないよう注意して朝を待ち、翌朝早々に救急の水道屋に来てもらった。一階の天井穴から排水管の配管を覗き込むと、管の合流部分がクランク管で繋がっているとか、管の傾斜が逆であったりと、かなりの問題工事であった。排水のつまり箇所を合流部分の先と予測して、そこまでをワイヤーを伸ばして掃除してみることにする。ところが、始めてみるとワイヤーがなかなか進まない。モーターの力で押し込むものの、逆に戻せない危険性も出てきて、かなりの時間を費やしたが、ついにギブアップ。これは、床か天井を開けて、管をはずして見なければ駄目だと言う結論に達した。大事になってしまったが、手を打つしかない。リフォーム専門工務店に来てもらうことにした。
 結局、一階の天井を開けて修理することになった。洗濯室の天井をすっかり取り払ってみると、排水管はむき出しになった。先ず詰まっていそうなあたりに小さな穴を開けて、漏れ出す排水を観察して、直線部分を切り取ってみた。その管には底にごみが少し堆積していた。次にその管に繋がる合流のクランク部分を切り出した。職人が声を上げる。見てみてくださいと言われて、こちらは息を呑んだ。そこには得体の知れない黒く脂っこいものと白い微細な植物のようなものがほぼ完全に詰まっていた。
 クランク管を止め、ゆるいカーブの管を新しく繋ぎ、天井を張り替えて無事に工事は終わった。終わってしまえば簡単な工事のようであったが、老朽化した家の配線、配管の起こす問題は、あまりにも人の体に似ている。電線は神経、配水管は血管と言うところか。今回の問題でも、排水のつまりを心筋梗塞と思えば、先ずはカテーテルを通し、老廃物を取り除きステントで流れを確保する。それですまなければ、人工血管に入れ替える。大腸癌であれば、それが小さいポリープのうちなら、内視鏡で検査の時についでに取ってしまうが、大きくなったら開腹して摘出しなければならない。家と同じように老朽化している我々、常のメンテナンスをサボっていると、ツケは突然、大きいのが来るよとの、戒めであった。チャンチャン。


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