[本日の写真]

2014.12.15

“かげ干し”

「八戸」

 青森の八戸に行って来た。めぐり合わせのせいか北へ行く機会が無く、私の人生でこの地が日本最北である。釣りで岩手まではよく行っていたのだが、青森は初めてだ。私の中にある本州最北端ははるかに遠い地であったのだが、東京を出て、新幹線の八戸までわずか2時間50分。早起きのためうたた寝をし、目をこすっていたら着いてしまった。在来線の駅からはかなり離れたところにある新幹線駅は、まばらな住宅地の中にうら寂しく在った。とは言えこの駅の周りは、新幹線で中央と繋がったことで、発展が約束されているのだろう。
 迎えの車が走り出すと、そこは街を離れる幹線道路。周りは日本中どこでも目にすることが出来る風景が続く。ファミレスがあり、ショッピングセンターがあり、クルマ屋がある。八戸は良く知られていることとして、大きな漁港を中心にした漁業で発展したところだが、今では工業エリアとして青森県一の人口密度を誇る。歴史のなかの位置付けとして元々岩手の南部藩の支配下にあり、現在でも青森市や日本海沿いの都市より、海岸伝いに南の久慈市などと繋がりが深い。
 海岸までドライブして昼食をご馳走になった。そこは、ウミネコに占領された神社として有名な蕪島の少し南、海岸通から細道を下り崖の上にバラックのように立っている民家のような店に入ると、入り口の印象とは大違いで、床から立ち上がる大きなガラス戸のテラスが広がり、目の前が太平洋だ。荒磯の上に乗り出すような建物がこの景観を生み出していたのだ。出された食事はもちろん新鮮な魚介類。横に漁港があるのだから、その鮮度に文句があるわけは無く、大変美味であった。
 さて、今回の八戸訪問の目的は、新しく協力していただく縫製工場訪問であった。観光地として有名な種差海岸から少し内陸に入ったその場所は、八戸工業高校を中心にする文教地区の中にあった。入り口を入ると、アプローチ無しにそのまま工場内。明るい工場の中からは、女性たちの明るい挨拶に迎えられた。経営者あるいは工場長の方針として、来客に対して顔を上げたり手を休めることを好まないところが多いのだが、ここは珍しい。現在の縫製業界の常識として、縫製労働力の大半は研修生と言う名目の中国人女性たちに支えられているのだが、こちらの工場は全員が日本人だという。中国人が東北の地に馴染まないことと、今のところ近隣女性たちの労働力が確保できていることによるという。この工場はニットのカットソー製品を縫製し、ビアスポではこの秋スタートした“BCWJ鹿の子”の製品を作って貰っている。
 明るい声に送られて工場を後にし、新幹線で東京には夕飯前に着いてしまった。便利さがなせる業だが、旅を味わうことも出来ないことが良いことでもない。次は仕事半分を計画しようと思う。


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